革製品って、かっこよくないですか? 財布、カバン、キーケース、ジャンバー──どれも持ってるだけで背筋が伸びるような存在感がある。
僕がレザークラフトを始めた理由は、ただひとつ。 「かっこいいから」──それだけだった。
かっこよくて、どうしてもやりたくなった。 とりあえず形から入ろうと、道具を一式揃えた。 でも、使い方なんて全然わからない。作り方も知らない。 結局、しばらく道具は眠ったままになった。
それでも「このままじゃもったいない」と思って、レザークラフト技法辞典の3巻(装飾編)を買って勉強を始めた。 今みたいにYouTubeなんてない時代。 写真を見ながら、手探りで作るのは苦労したけど、楽しかった。
染色、カービング、スタッズ、ステッチ──技法の一つひとつが、革に命を吹き込むようで、夢中になった。
感性や創造性の鍛錬とは言ったものの、これは完全に趣味の領域。 人に自慢できるようなレベルじゃない。
でも、いつかは「これ、俺が作ったんだぜ」と胸を張って言えるようになりたい。
レザークラフトは、僕にとって“手と心を鍛える”時間。 「鍛心記」の一部として、これからも続けていく。
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