不思議なことに、あの日のことはいまでも脳裏に焼き付いている。
2024年6月。39歳の初夏だった。
タバコを吸い始めたのは20歳の頃。
気づけば、もう20年近く吸い続けていたことになる。
辞める1日前——いや、1時間前まで、タバコを辞める気なんてまったく無かった。
「値段が高くなったな」「吸える場所が減ったな」「妻と子どもが匂いを嫌がるな」
そんなことをぼんやり思う程度で、具体的にどうこうする気はなかった。
一日1箱を“守る”ことだけは続けていた。
その日も、夕食後に裏庭の椅子へ向かった。
いつものように腰を下ろし、食後の一本を吸う。プハー。
吸いながら、ふと頭に浮かんだ。
「タバコを辞めるのって、そんなに難しいのか?」
本当に脈絡もなく、軽い気持ちで考えただけだった。
うーん……と考えながら、
「誰にも宣言せず、ノルマも課さず、とりあえず我慢してみるか」
そんな“我慢大会”くらいのつもりで、辞める方向に舵を切った。
✦ 禁断症状は来なかった
1日、1週間、2週間……
不思議と禁断症状は出なかった。
電子タバコに切り替えていたのも良かったのかもしれない。
そのうち、家族に“吸っていないこと”がバレた。
「休憩してるだけ」と伝えたのに、妻も子どもも嬉しそうにしていた。
めっちゃ褒められた。
え……やめて。完全に辞める気はないんだが。 ( ゚Д゚)
気づけば妻が義母にまで報告していて、また褒められた。
え……やめて。完全に辞める気はないんだが。 ( ゚Д゚)💦
ここまで来ると、もう吸うに吸えない。
でも、吸いたい気持ちもほとんど湧いてこない。
食後に少しだけ吸いたくなる瞬間はあったが、1分我慢すればすぐ忘れた。
そして僕はタバコを辞めた。
電子タバコも吸っている人に譲り、完全に“吸えない環境”になった。
✦ 今になって思うこと
振り返ると、僕はタバコに向いていなかったのだと思う。
周りの目を気にしながら吸うことに、
自分でも気づかないほどストレスを感じていたのだ。
いまは吸う場所を探す必要もない。
コンビニに行く回数も減った。
お金も使わなくなり、咳や痰も出ない。
そして、どこからともなく湧いてくる“やる気”。
そのエネルギーを鍛錬や勉強に使っている。
タバコを辞めてから、人生が変わったのか。
まだ断言はできない。
ただ、確かにひとつの流れが変わったのは間違いない。

